「休んだら差がつく」は昔の話。少年サッカーを「昔の部活感覚」で考えてはいけない理由

練習量・サッカーを嫌いにさせない続け方

少年サッカーを見ていると、親の方が焦ってしまうことがあります。

「もっと練習しないと上手くならないんじゃないか」
「休んでいたら、他の子に抜かれるんじゃないか」
「本気でやるなら、多少きつくても頑張らせた方がいいんじゃないか」

特に、自分が学生時代に部活をやっていた親ほど、そう感じやすいかもしれません。

昔の部活では、

毎日練習するのが当たり前。
休むのはタブー。
きつい練習を乗り越えた先に成長がある。
多少疲れていても、根性で頑張る。

そんな時代もありました。

だから、子どもの少年サッカーを見ていると、つい昔の部活の感覚で考えてしまうことも。

「今日は休ませて大丈夫かな」
「もっと走らせた方がいいんじゃないか」
「練習量が少ないから伸びないんじゃないか」

でも、うちは小学生年代のサッカーを、昔の部活感覚で考えない方がいいと思っています。

なぜなら、少年サッカーと昔の部活では、環境も親の関わり方も違うからです 。

小学生のサッカーは詰め込む時期ではない

昔の部活では、「きつい練習に耐えること」自体が大事にされていた部分があったような気がします。

もちろん、努力することは大事です。
頑張る経験も必要です。
うまくいかない中で続ける力も、子どもにとって大切です。

でも、小学生年代のサッカーで、練習を詰め込むのは違うと思っています。

小学生は、体も心も成長の途中です。

学校があります。
宿題があります。
友だちと遊ぶ時間も必要です。
家でゆっくりする時間も必要です。
睡眠も大切です。

その中に、サッカーがあります。

大人が思っている以上に、子どもは毎日いろいろなことにエネルギーを使っています。

だから、サッカーだけを切り取って、

「もっと練習しないと」
「毎日やらないと」
「休んでいる場合じゃない」

と考えてしまうと、子どもの生活全体が見えなくなります。

うちは、そこを恐れていました。

サッカーを頑張ることは大事です。

でも、サッカーだけで毎日が埋まってしまうと、子どもらしい時間がなくなってしまう。

だから、うちでは、小学生の間は、詰め込む時期というより、サッカーを好きなまま続けられる土台を作る時期だと考えていました。

これは、小学生のころだけの話ではありません。

うちは、ジュニアユースになった今でも、週3日というペースは守っています。

学年が上がれば、練習の強度も上がります。
求められることも増えます。
試合のレベルも上がります。

だからこそ、練習日をただ増やすのではなく、1回1回の練習に集中して取り組める状態を作ることが大事だと思っています。

体が疲れたまま練習に行く。
学校の勉強が追いつかない。
友だちとの時間がなくなる。
気持ちの余裕がなくなる。

そうなってしまうと、サッカーを続けること自体が苦しくなってしまいます。

小学生でも、ジュニアユースでも、うちが大事にしているのは同じです。

練習量を増やすことより、良い状態でグラウンドに立てること。
そのために、週3日というペースは、中学校に入ったあとも守っています。

昔の部活とクラブチームでは子どもの立場が違う

昔の部活は、学校の中にある活動でした。

学校に行って、そのまま部活をして、帰ってくる。
生活の流れの中に部活がありました。

でも、クラブチームは違います。

練習場まで親が送迎する。
週末は試合で朝から出かける。
チームによっては、遠征や大会もあります。

つまり、クラブチームは、子どもだけで完結しません。

親の送迎、家庭の予定、兄弟の時間、食事、宿題、睡眠。
いろいろなものとつながっています。

だから、昔の部活のように、

「毎日練習するのが当たり前」
「休まず行くのが普通」
「きつい方が強くなる」

という感覚だけで動くと、家庭全体が疲れてしまいがち。

親が疲れると、だんだん声かけもきつくなります。

「早く準備しなさい」
「せっかく連れて行ってるのに」
「ちゃんとやりなさい」
「もっと走れたでしょ」

こんな言葉が増えていくことも。

そうなると、サッカーが親子にとって楽しいものではなくなっていきます。

うちは、サッカーを親子で嫌なものにしたくありませんでした。

練習量が多いほど伸びるとは限らない

昔の部活感覚だと、どうしても練習量を重視しがちです。

たくさん練習した子が強くなる。
休まない子が伸びる。
きつい練習をした分だけ差がつく。

そう考えたくなる気持ちは分かります。

でも、子どものサッカーは、練習量だけで伸びるかどうかは決まりません。

心身がどんな状態で練習に行っているか。
集中できているか。
コーチの話を聞けているか。
自分で考える余裕があるか。
サッカーを好きな気持ちが残っているか。

こういうことも、とても大事です。

疲れた状態で練習に行っても、ただメニューをこなすだけになってしまうこともあります。

体は動いていても、頭が働いていない。
コーチの話を聞いているようで、入っていない。
ミスしても考えずに、ただ次のプレーに流れていく。

これでは、練習量を増やしても、あまり効果がないと思っていました。

だから、うちは、練習の回数よりも、1回の練習にどれだけ良い状態で臨めるかを大事にしていました。

「今日はサッカーができる」
「早くボールを蹴りたい」
「次はこうしてみたい」

そういう気持ちで練習に行ける方が、子どもは集中できると思います。

毎日詰め込んで、疲れた状態で参加するより、回復した状態でグラウンドに立つ方が、結果的には伸びると考えていました。

親の「昔はこうだった」が子どもを苦しめることも

親は、自分が経験してきたことを基準に考えてしまうことがあります。

自分の時代は、休まず練習していた。
多少きつくても頑張った。
先輩に怒られながら続けた。

それで成長できた。

そういう経験があると、子どもにも同じようにしてあげた方がいいと、考えてしまうことがあります。

でも、

親の経験がそのまま今の子どもに合うとは限りません。

時代が違います。
チーム環境が違います。
サッカーの育成の考え方が違います。

うちは、ここをかなり意識していました。

自分の中にある「昔の部活感覚」が、子どものサッカーを見る目を曇らせていないか。
「休みたい」と言ったときに、すぐに甘えだと思っていないか。
練習量が少ないことを、すぐに不安に変えていないか。
親の焦りで、子どもの予定を埋めようとしていないか。

そうやって、一度立ち止まるようにしていました。

少年サッカーでは親がコーチにならないように

昔の部活感覚が強いと、親もつい指導者のようになってしまいがち。

「もっと走らないと」
「気持ちが足りてないんじゃない」
「それくらいで疲れたって言ったらダメでしょ」
「上手くなりたいならもっと練習しなきゃ」

こういう言葉は、親としては、良かれと思って言っているのかもしれません。

でも、子どもからすると、逃げ場がなくなってしまう感覚になる場合も。

チームではコーチに言われる。
試合では結果を求められる。
家に帰っても親から言われる。

これでは、サッカーがずっと評価される場所になってしまいます。

うちは、親がコーチのようになる必要はないと思っていました。

もちろん、応援はします。
送迎もします。
必要な環境も考えます。
子どもの様子も見ます。

でも、練習量やプレーについて、親が前のめりになりすぎないように気をつけていました。

親がやるべきことは、子どもを追い込むことではなく、子どもが良い状態でサッカーに向かえるように支えることだと思っています。

親が焦らないことも子どもの力になる

少年サッカーでは、親が焦る場面がたくさんあります。

試合に出られない。
思うように活躍できない。
強いチームの子と比べてしまう。
コーチの評価が気になる。

そんなとき、親は練習量を増やしたくなります。

でも、子どもに必要なのは、それではないと思います。

休むことは、気持ちを切らすことではなく、良い状態でサッカーに戻るための時間でもあります。

疲れているのに無理をして練習に行くより、しっかり回復して「またサッカーがしたい」と思える状態でグラウンドに立つ方が、子どもにとっては大事なこともあります。

だから、うちは「休んだら差がつく」と考えるより、「休んだから次に集中できる」と考えるようにしていました。

親が焦っていると、

「もっと頑張らないと」
「今のままではダメなんだ」
「自分は遅れているんだ」

そう子どもにも伝わってしまうことがあります。

逆に、親が落ち着いていると、

「大丈夫」
「今できることをやればいい」
「次の練習でまたやってみよう」

と、子どもも自分のペースで頑張りやすくなります。

そして、そういう空気があると、子どもは安心して挑戦できます。

だから、うちは、親が焦らないことも、子どものサッカーを支える力になると考えています。

まとめ:昔の部活感覚より今の子どもの状態を見る

少年サッカーを、昔の部活感覚で考えない方がいい理由。

それは、小学生のサッカーは、練習を詰め込めばいい時期ではないからです。

もちろん、努力は大事です。
頑張る経験も必要です。
うまくいかない中で続ける力も大切です。

でも、それは子どもの体と心が壊れない範囲での話です。

練習量を増やすことより、子どもが良い状態で練習に向かえること。
休まず続けることより、サッカーを好きなまま続けられること。
親の不安を消すことより、子どもの心と体の状態を見ること。

うちは、そこを大事にしていました。

もちろん、昔の部活感覚がすべて悪いわけではありません。

努力すること。
継続すること。
仲間と頑張ること。
苦しい場面で踏ん張ること。

そういう良さもあります。

でも、それをそのまま小学生のサッカーに持ち込むと、子どもを追い込みすぎてしまうことがあります。

親がすべきなのは、昔の自分との比較ではありません。

今、目の前にいる子どもの成長です。

疲れていないか。
楽しめているか。
練習に集中できているか。
サッカー以外の生活が崩れていないか。
またサッカーがしたいと思えているか。

そこを見ながら、練習量や関わり方を考える。

それが、少年サッカーを長く続けるために、親ができる大事なサポートだと思っています。