「毎日練習しないと差がつく」の誤解。オーバーワークから子どもを守る「余白」の作り方

練習量・サッカーを嫌いにさせない続け方

子どもがサッカーを好きになればなるほど、親としては応援したくなります。

せっかくなら上手くなってほしいし、試合にも出てほしいと思うのも自然です。

でも、うちは小学生年代のサッカーで、毎日練習を詰め込むことはしませんでした。

基本的には、チーム練習やスクールを含めて週3回までを基準にしていました。

これは、サッカーを軽く考えていたからではありません。
むしろ逆で、サッカーを長く続けてほしかったから。
毎回の練習に集中して取り組んでほしかったから。
疲労による怪我や、燃え尽きのような状態を避けたかったからです。

そして、学校の友だちと遊ぶ時間や、学校の勉強の時間も、子どもには必要だと思っていました。

週3回は育成年代では普通のペースだと思っていた

週3回だと、練習量が少ないと感じる方もいるかもしれません。

まわりに、毎日のようにスクールや自主練をしている子がいる。

チーム練習がない日は別のスクール。

そんな話を聞くこともあります。

そういう話を聞くと、

「うちはこれで足りているのかな」
「もっとやらせないと差がつくのかな」

と焦ってしまうかもしれません。

でも、うちは週3回をちょうどいいと考えていました。

ヨーロッパの育成年代でも、小学生くらいの子は、毎日チームやスクールで練習をしているわけではありません。

スペインのクラブチームでも、小学生年代は週3回くらいの練習が基本です。

実際、所属していたレアルスクールからスペインに留学した子たちも、僕が知る限り、みんな週3回の練習でした。

練習のない日、息子たちは家でボールを触ったり、友だちと遊びのサッカーをしていました。

でも、チームやスクールで行う、管理された練習は週3回まで。

大事なのは、回数を増やすことではなく、1回1回の練習にどれだけ良い状態で入れるかだと思っていました。

怖かったのは、オーバーワークによる疲労と怪我

子どものサッカーで怪我というと、相手とぶつかった怪我をイメージしやすいです。

試合中に接触した。

転んだ。
足を踏まれた。
相手とぶつかった。

こういう怪我は、見ていても分かりやすいですし、避けようのない怪我です。

実際、うちがそれ以上に気にしていたのは、疲労がたまった状態で、動き続けることで起こる怪我。

体が重い。
反応が遅れる。
踏ん張りがきかない。
集中が切れる。
いつもなら避けられる動きに対応できない。

こういう状態で練習や試合を続けると、怪我のリスクが上がると考えていました。

これは、相手と激しくぶつかって起きる怪我とは違います。

オーバーワークによる疲労がたまっての怪我。

そして、疲れが抜けないままサッカーを続けることによる心の消耗。

小学生は元気そうに見えます。

でも、元気そうに見えることと、ちゃんと回復できていることは別だと思っています。

学校に行って、授業を受けて、友だちと過ごして、宿題をして、その上でサッカーの練習に行く。

これだけでも、子どもにとっては、十分な負荷です。

そこに毎日のように練習を入れたら、体だけでなく、気持ちも疲れていきます。

だから、うちは練習量を増やさず、心と体の回復をする時間を意図的に作っていました。

燃え尽き症候群のような状態にしたくなかった

もう一つ避けたかったのが、燃え尽きです。

サッカーが好きだったはずなのに、いつの間にか楽しくなくなる。
練習に行くのが重くなる。
試合の日が楽しみではなくなる。
親に言われるから行くだけになる。

これが一番もったいないと思っていました。

子どもは、好きなことでも詰め込まれすぎると、嫌になっちゃうことがあるんじゃないかと思っています。

最初は自分からやっていたことでも、毎日の予定になり、親の期待が乗り、結果を求められるようになると、だんだん苦しくなっていきます。

少年サッカーで大事なのは、上手くなることだけではありません。

サッカーを好きなまま続けること。
次の練習を楽しみにできること。
試合でうまくいかなくても、またやりたいと思えること。

この気持ちを残すことが大事だと思っていました。

だから、うちは「もっとやらせれば上手くなるかも」という親の不安よりも、「またサッカーがしたい」と思える余白を大事にしました。

「継続は力なり」の方を重視しました。

サッカーがしたいと思うタイミングで、次の練習が来るように

うちがチームやスクールでの練習を、週3回までにしていた大きな理由は、子どもが

「サッカーがしたい」
「次の練習が楽しみ」
「早くボールを蹴りたい」

と思うタイミングで、次の練習が来るようにしたかったからです。

毎日練習があると、サッカーをしたいと思う前に、次の練習が来てしまうこともあります。

疲れが残っている。
気持ちが戻っていない。
前の練習や試合の消耗が抜けていない。

それでも、予定だから行く。

これでは、練習に行っても集中しきれない可能性があります。

うちは、練習に行くなら、ただ参加するのではなく、集中して取り組んでほしいと思っていました。

集中していた方が、練習での学びが多くなり、集中不足による怪我も減ると考えていたからです。

でも、そのためには、体の回復だけでなく、精神的な回復も必要だと考えていました。

気持ちが戻る。
またやりたいと思う。
自分からグラウンドに向かえる。

そういう状態を作るために、心も体も練習から離れられる時間を作ってよかったと、今は深く思っています。

練習は体だけでなく、頭も心も疲れる

サッカーの練習は、ただ走っているだけではありません。

コーチの話を聞く。
周りを見る。
判断する。
ミスをする。
また挑戦する。
味方との関係を考える。
相手の動きに対応する。

集中してやればやるほど、頭も心も使います。

だから、練習後は体だけでなく、精神的な疲れのケアも重要です。

汗をかいた。

足が疲れた。

筋肉痛になった。

そういう体の疲れは分かりやすいです。

でも、練習で集中したあとの、頭と心の疲れは見えにくいものです。

サッカーが好きな子ほど、練習も頑張ります。
コーチの話を聞きます。
ミスしないように考えます。
チームの中で自分の役割を果たそうとします。

その分、終わったあとの目に見えない部分の疲れも大きくなります。

だから、うちでは、練習後の回復をとても大事に考えていました。

次の日もまた練習、週末もまた朝から試合や練習という詰め込み方は、絶対にさせないようにしていました。

試合後のリカバリーは絶対に必要

特に試合後のリカバリーは、大切だと思っていました。

試合は練習よりも負荷が大きいです。

勝ちたい気持ちがある。
相手との接触もある。
緊張もある。
判断の連続でもある。
うまくいった、いかなかったという感情も残る。

体だけでなく、心にもかなり負荷がかかります。

プロでも、試合の翌日は、完全オフやリカバリーの日になります。

それなのに、小学生が試合の翌日にまた強度の高い練習をして、その次の日もまた練習というのは、うちの感覚ではやりすぎでした。

試合で頑張ったら、

回復する。
疲れを抜く。
気持ちを整える。
またサッカーがしたい状態に戻す。

ここまで含めて、サッカーの時間だと思っていました。

学校の友だちと遊ぶ時間も大切だった

うちは、サッカー以外の時間も大事にしていました。

特に、学校の友だちと遊ぶ時間です。

サッカーとは関係ない友だち。
勝ち負けが関係ない遊び。
ただ笑って、ふざけて、自由に過ごす時間。

こういう時間があるから、心も回復する。

うちの場合、友だちとのストリートサッカーの時間は、精神的な回復にもなっていたと思います。

コーチに見られているわけではない。
メニューが決まっているわけでもない。
失敗しても怒られない。
勝ち負けもあるけれど、遊びの中にある。

同じボールを蹴る時間でも、チーム練習と友だちとのストリートサッカーは全く違います。

練習は集中する時間。友だちとのサッカーは、遊びながら回復する時間。

うちは、そう考えていました。

学校の勉強の時間も削りたくなかった

もう一つ、学校の勉強の時間も大事にしていました。

サッカーを頑張ることは大事です。

でも、小学生の生活はサッカーだけではありません。

学校があります。
宿題があります。
授業についていくことも必要です。
家庭で落ち着いて過ごす時間も必要です。

練習を詰め込みすぎると、どうしても勉強の時間が圧迫されます。

練習から帰ってくる。
ご飯を食べる。
お風呂に入る。
眠くなりながら宿題をする。

これが続くと、子どもも親も苦しくなります。

サッカーを頑張っているのに、家では宿題で怒られる。
疲れているのに、勉強しなさいと言われる。
寝る時間が遅くなる。
翌日も疲れが残る。

これでは、サッカーにも勉強にも良くないと思っていました。

だから、うちでは、練習を週3回までにして、サッカー以外の時間を確保していました。

勉強のためだけではありません。
生活を整えるためです。

サッカーを続けるには、サッカー以外の生活が崩れないことも、大事だと考えていました。

まとめ:週3回は妥協ではなく、長く続けるための設計だった

少年サッカーは、毎日練習しないと遅れるのか。

うちの答えは、「毎日練習しないと伸びないわけではない」です。

もちろん、練習は大事です。
上手くなるには、ボールに触る時間も必要です。
努力も必要です。

でも、うちの経験から、小学生年代のサッカーにおける成長は、練習量だけで決まるものではないと思っています。

オーバーワークによる疲労を避けること。
疲労による怪我を防ぐこと。
燃え尽きのような状態にしないこと。
学校の友だちと遊ぶ時間を残すこと。
勉強や生活の時間を守ること。
精神的に回復した状態で、次の練習に向かえること。

こういうものも、長くサッカーを続けるためには大切です。

うちは、週3回までの練習を、少ないとは思っていませんでした。

むしろ、サッカーがしたいと思うタイミングで次の練習が来る、ちょうどいいペースだと思っていました。

毎日練習しないことは、手を抜くことではありません。
子どもの体と心を守りながら、サッカーを長く続けるための大事な選択だったと思っています。