少年サッカーを見ていると、
「もっとパスをもらいに行って」
「空いているところに動いて」
「味方をサポートして」
という声を聞くことがあります。
でも、パスをもらう場所は、ただボールに近づけばいいわけではありません。
どこで受けるのか。
相手は近くにいるのか。
ボールを受けたあと、前を向けるのか。
次のパスやドリブルにつなげられるのか。
パスをもらう側にも、考えることはたくさんあります。
うちでは、子どもたちに、
「とりあえず近くへ行けばいい」
とは伝えていませんでした。
それよりも、
「どこでもらったら、次のプレーをしやすいかな?」
「どこなら、相手が来るまでに時間ができるかな?」
と考えるように伝えていました。
パスをもらうことが目的ではありません。
パスを受けたあとに、何ができるのか。
そこまで考えることが大事だと思っています。
この記事では、うちが子どもたちに伝えていた、パスをもらう場所の考え方について書いていきます。
パスをもらう場所にも順番がある
うちでは、パスをもらう場所を考えるとき、順番を伝えていました。
まずは、ゴールを奪えそうな場所。
次に、チャンスになりそうな場所。
その次に、味方を助けられる場所です。
| 優先順位 | 考えること |
|---|
| ① | ゴールを奪えそうな場所 |
| ② | チャンスになりそうな場所 |
| ③ | 味方を助けられる場所 |
ゴール前で受ければ、シュートを打てそうなのか。
そこで受ければ、ゴール前の味方へパスを出せそうなのか。
前に進める場所がなければ、ボールを持っている味方が困らないように、後ろや斜めの場所で受けられるのか。
そんな順番で考えるように伝えていました。
子どもは、ボールに触りたい気持ちから、ボールを持っている味方の近くへ寄っていくことがあります。
でも、近くへ行くだけでは、味方を助けているとは限りません。
近づきすぎると、パスをもらっても、すぐに相手に寄せられてしまいます。
パスコースが狭くなります。
味方がドリブルで進む場所を消してしまうこともあります。
だから、ただ近づくのではなく、
「どこに顔を出したら、次のプレーにつながるか」
を考えることが大切だと思っています。
相手のいない場所で受ければ、時間ができる
うちでは、パスをもらうときに、
「できるだけ相手のいない場所で受けよう」
とも伝えていました。
相手がすぐ近くにいる場所でボールを受けると、ボールが来た瞬間にプレッシャーを受けます。
トラップをする時間がない。
周りを見る時間がない。
次のパスを考える時間もない。
慌てて蹴ることになったり、相手に背を向けてボールを守るだけになったりします。
パスは来た。
でも、受けたあとに何もできない。
そういう場面は、低学年の試合でもよくあります。
反対に、相手から少し離れた場所で受けられれば、時間ができます。
前を向く。
周りを見る。
次の味方を探す。
ドリブルで前へ運ぶ。
シュートを狙う。
| 相手が近い | 相手がいない |
|---|
| トラップする時間がない | 前を向ける |
| 周りを見る時間がない | 周りを見られる |
| 慌てて蹴る | 次のプレーを選べる |
パスを受ける場所を考えるだけで、いくつかの選択肢の中から、次のプレーを選べるようになります。
相手のいない場所で受けることで生まれるのは、ただの空間ではなく、考える時間です。
だから、うちでは、
「どこならパスが届くか」
だけではなく、
「どこなら、ボールをもらったあとに時間ができるか」
を考えるように伝えていました。
近くに行きすぎると、味方を助けたことにならない
味方がボールを持っているとき、近くへ行けば助けになるように見えることがあります。
でも、近づきすぎると、パスをもらったとしても、あまり意味がない場面があります。
なぜなら、ボールを持っていた味方を守っていた相手が、そのまますぐ自分のボールを取りに来られるからです。
パスカットを狙われたり、トラップミスを狙われたり、パスに伴うプレーから奪われる確率を上げてしまいます。
結局、相手は一人なのに、ボールを持っていた味方と、パスを受けた自分の二人を守れていることになります。
つまり、近くでパスをもらいすぎると、味方を助けるどころか、苦しい状況を作ってしまうことになるんです。
だから、うちでは、
「近くに行けば助けになるわけじゃないよ」
「いい距離と場所でパスを受けよう」
と伝えていました。

真横はダメ!斜め前・斜め後ろでサポートする理由
うちでは、味方の真横ではなく、斜め前や斜め後ろでサポートすることを意識するように伝えていました。
もしかしたら、真横と斜めには、あまり違いがないように感じるかもしれません。
でも、真横へのパスは、カットされたときにピンチになるんです。
たとえば、2026年ワールドカップ、ブラジル戦の日本のゴールがまさしくこれです。
ブラジルの真横へのパスを、佐野海舟選手が奪って、ドリブルで運んでシュート。
見事なカウンターからのゴールでした。
実は真横の味方へのパスをカットされると、パスをしあった二人は、相手を追いかけながら守備をすることになってしまいます。
だから、大きなピンチにつながるんです。
でも、斜め前や斜め後ろへのパスなら、もしカットされても、どちらかがそのままディフェンスに行くことができます。
だから、斜めの関係は、相手のカウンター攻撃を防ぐためなんです。
ただ、子どもには難しい言葉ではなく、
「真横だと、取られたときに二人とも置いていかれて大ピンチになるよね」
「斜めなら、どっちかが守れるから安心だよね」
と伝えていました。

ワンタッチパスは、ボールが来る前から始まっている
うちの子たち、特に下の子はワンタッチ、いわゆるダイレクトパスが多いです。
でも、ボールが来てから急いで次の味方を探しているわけではありません。
パスを受ける前から、次にパスをつなぐ味方を見つけています。
そして、その味方へパスを出せる場所に、自分が入っていきます。
ボールが来る。
ワンタッチで次の味方へつなぐ。
プレーは一瞬ですが、その準備はボールをもらう前から始まっています。
フリーでチャンスになりそうな場所にいる味方を見つける。
相手がどこにいるかを確認する。
どこへ入れば、フリーな味方へパスを出せるか考える。
そこへボールを持っている味方が出しやすいタイミングで動く。
だから、ワンタッチでパスを出せます。
ワンタッチパスは、ボールをうまく蹴る技術だけではできません。
ボールが来る前に、周りを見ながら、次のプレーへつなぐ力です。
うちでは、小さいころから、
「ボールが来てからじゃなくて、来る前から考えていよう」
と伝えていました。
最初からうまくできる必要はありません。
繰り返しているうちに、少しずつできるようになっていくものなので、何度もチャレンジできるようにしてあげましょう^^
パスが来なかったときも、味方のせいにしない
子どもが良い場所に動いたように見えても、パスが来ないことはあります。
親から見ると、
「今のは、うちの子に出してほしかった」
と思う場面もあります。
でも、ボールを持っていた味方には、別の景色が見えていたのかもしれません。
相手が近くにいて、顔を上げられなかった。
パスコースに相手が立っていた。
ほかに、もっとゴールにつながる味方が見えていた。
パスを出そうとしたけれど、タイミングを逃してしまった。
理由はいろいろあると思います。
本当に良い場所にいても、パスが来ないこともあります。
そのときは、
「良い場所にいたね」
と伝えればいいと思っています。
結果だけではなく、パスを受けるために考えて動いたことを見る。
これは、親が子どもにしてあげられる、とても大切なことだと思います。
まとめ|パスをもらう場所は、次のプレーから考える
パスをもらうことは、ただボールに近づくことではありません。
どこで受ければ、ゴールを狙えるのか。
どこで受ければ、チャンスにつながるのか。
どこで受ければ、味方を助けられるのか。
うちでは、その順番で考えるように伝えていました。
相手のいない場所で受ければ、時間ができます。
時間ができれば、前を向くことができます。
周りを見ることができます。
次のパス、ドリブル、シュートを選ぶことができます。
真横ではなく、斜め前や斜め後ろに立つ。
ボールが来る前に、次のフリーな味方を見つけておく。
そうした一つ一つの積み重ねが、パスをもらう力につながっていくと思っています。
パスをもらう場所が変わると、受けたあとのプレーが変わります。
受けたあとのプレーが変わると、子どもの判断も少しずつ変わっていきます。
パスは、出す側だけで作るものではありません。
もらう側が、次のプレーをしやすい場所に入ることで、チームの攻撃はつながっていくと思っています。

