【動画あり】県大会を決めた決勝ゴールより心に残っていること|試合終了の瞬間、息子が真っ先に向かった場所

試合・大会・成長ストーリー

少年サッカーを続けていると、親にとって忘れられない試合があります。

初めてゴールを決めた試合。
強い相手に勝った試合。
悔しくて涙を流した試合。
大きな大会への出場を決めた試合。

うちにも、今でも何度も動画を見返す試合があります。

上の子が小学6年生のとき、県大会出場をかけて戦った最後の試合です。

相手は、1部リーグで2位のチーム。

うちは3部リーグ。

地域リーグでは、3部が一番下のカテゴリーでした。

リーグだけを見れば、相手の方が上です。

親としても、簡単な試合になるとは思っていませんでした。

それでも、子どもたちは普段と大きく変わらない様子で準備をしていました。

いつものように仲間と話し、いつものようにアップをして、ピッチへ入っていきます。

県大会がかかった試合だからといって、必要以上に硬くなっているようには見えませんでした。

むしろ、緊張していたのは、見ている親の方だったと思います。

勝てば県大会。

負ければ、そこで終わりです。

ここまで来たのだから、もう一つ先へ進んでほしい。

そんな気持ちを持ちながら、試合開始の笛を聞きました。

1部リーグ2位の相手にも引かなかった

試合が始まると、やはり相手は強いチームでした。

ボールを持ったときの落ち着きがあります。

パスもつながります。

一人をかわしても、次の選手がすぐにカバーへ入ってきます。

体も強く、球際でも簡単には負けません。

寄せも速く、キックも正確でした。

「やっぱり強いな」

親として見ていて、そう感じる場面は何度もありました。

ただ、うちの子どもたちも引いてはいませんでした。

苦しい時間でも声をかけ合う。
ボールを奪われても、すぐに守備へ戻る。
目の前の相手からボールを奪う。
味方へつなぐ。
ゴールを守る。
チャンスがあれば前へ出る。

子どもたちは、自分たちが普段やってきたことを続けていました。

前半が終わった時点で、スコアは0対0。

相手に押し込まれる場面もありましたが、失点せずに前半を終えました。

県大会まで、あと半分。

ただ、試合はまだどちらへ転ぶか分かりませんでした。

後半最初のコーナーキックから先制

試合が動いたのは、後半が始まってすぐでした。

うちのチームがコーナーキックを獲得します。

ゴール前には、両チームの選手が集まっていました。

息子は、ただボールが来る場所で待っていたわけではありませんでした。

一度、ゴール前へ飛び込むような動きを入れます。

息子の動きに合わせて、マークについていた相手も走ります。

その直後、息子は少しだけ後ろへ下がりました。

相手を前へ動かして、自分はバックステップする。

そのタイミングで、コーナーキックのボールが入ってきました。

息子は右足のインサイドで、ダイレクトに合わせます。

しっかりと足に当たったボールは、ゴールのサイドネットへ。

先制ゴールでした。

ただ飛んできたボールを蹴ったのではなく、相手を動かして、自分が蹴れる場所を作ってから決めたゴールです。

親として、もちろん嬉しかったです。

でも、相手は1部リーグ2位のチーム。

このまま簡単に終わるとは思えませんでした。

実際、相手はそこからさらに攻撃の勢いを強めてきました。

同点に追いつかれ、さらにPKのピンチ

先制したあとも、相手は焦ることなく攻めてきました。

うちの子どもたちも体を張って守ります。

それでも、相手のボールが味方に当たり、そのボールを押し込まれて同点にされました。

試合は1対1。

振り出しに戻ります。

県大会出場をかけた試合で、相手は1部リーグ2位。

先制できた安心感は、一気になくなりました。

そして、そのあとに、さらに大きなピンチが訪れます。

相手にPKを与えてしまいました。

ここで決められれば逆転・・・

試合の残り時間を考えても、かなり苦しい展開になってしまいます。

見ている親としては、絶体絶命のように感じました。

ただ、そのとき思い出したのが、前日のPK練習でした。

前の日、チームでPKの練習をしていました。

その中で、キャプテンの子が、

「片手を挙げて、『こっちへ跳ぶぞ』と相手に見せること」

「慌てずに最後まで動かないこと」

とキーパーと話をしていました。

相手の選手がボールを置き、助走に入ります。

キーパーは最後まで相手を見ていました。

そして、蹴られたボールに反応し、見事に止めました。

大きな歓声が上がります。

ベンチも盛り上がりました。

ただ、試合はまだ終わっていません。

それでも、このPKストップがチームを救ったことは間違いありません。

もし、あのPKが決まっていたら。

そのあとの試合展開は、まったく違っていたと思います。

前日に練習し、話し合っていたことが、県大会出場をかけた試合の大事な場面で生きたんです。

終了間際まで1対1のまま進んだ

PKを止めたあとも、試合は1対1のまま進みました。

相手も勝ちたい。

うちも勝ちたい。

どちらも県大会出場がかかっています。

少しずつ試合時間がなくなっていきます。

子どもたちにも疲れが見えていました。

それでも、誰も足を止めません。

あと一回、チャンスが来るかもしれない。

あと一回、ピンチが来るかもしれない。

一つのプレーで、試合が決まる時間帯に入っていました。

そして、終了間際。

こちらに最後のチャンスが訪れます。

ボールが、センターハーフの中央付近へ入りました。

息子は、そのボールを足元で受けるような動きを見せます。

相手も、その動きを見て息子へ体を寄せてきました。

でも、息子は普通にボールを止めませんでした。

受けるふりをしながら、自分の体で相手をブロックします。

そして、ボールをそのまま流しながらターンしました。

相手ふたりの間を抜けます。

息子の前には、大きなスペースができました。

飛び出してきたキーパーの右上を通した決勝ゴール

相手のキーパーは、もともとペナルティエリアからかなり前にポジションを取っていました。

息子がターンで抜けたのを見て、キーパーも迷わず出てきました。

キーパーは、そのまま息子の足元へ倒れ込むように入ってきます。

横へ大きくかわすほどの時間はありません。

息子は、倒れ込んできたキーパーの右上を通すように、ボールを少し浮かせました。

キーパーの体のすぐ上を越えたボールが、そのままゴールへ。

その瞬間、4年生だった下の息子も、ベンチから立ち上がってガッツポーズをしていました。

下の息子も一つ前の予選で1得点しており、この試合でもベンチ入りして、兄の決勝ゴールを同じチームの一員として喜んでいました。 

ほかのベンチの選手たちも、ガッツポーズをしていました。

コーチも立ち上がって拍手をしていました。

そして、そのまま試合終了のホイッスル。

結果は、2対1で勝利。

3部リーグのうちのチームが、1部リーグ2位のチームに勝ち、県大会出場を決めました。

試合終了後、息子が最初に向かった場所

決勝ゴールを決め、その直後に試合終了。

息子にとっても、チームにとっても、これ以上ない終わり方だったと思います。

子どもたちは喜んでいました。

ベンチの仲間も、コーチも、保護者も拍手をしています。

親としても、もちろん嬉しかったです。

息子が2ゴールを決めたことも、県大会への出場を決めたことも、今でも動画を見返すほど忘れられない思い出です。

でも、試合終了の直後に、息子が最初に向かったのは、自分を祝ってくれる仲間の輪ではありませんでした。

PKを止めたキーパーのところへ走っていきました。

そして、二人でハイタッチをしていました。

あのPKが決まっていたら、1対2になっていました。

そのまま試合が終わっていたかもしれません。

キーパーが止めてくれたから、最後まで1対1で戦うことができました。

そして、終了間際の決勝ゴールにつながりました。

息子も、それが分かっていたのだと思います。

自分が2点を取ったから勝ったのではない。

キーパーのセーブがあった。

仲間が守ってくれた。

最後まで全員で戦った。

その結果として、自分のところに最後のチャンスが来た。

言葉にしたわけではありません。

でも、試合が終わった瞬間にキーパーのところへ走った姿を見て、そう感じました。

ゴールは、息子一人で生まれたものではない

試合が終われば、ゴールを決めた選手は注目されます。

特に、この試合で息子は、ゴールを2つ決めました。

後半最初の先制点。

そして、終了間際の決勝ゴール。

この日の活躍は、親として誇らしく思っています。

ただ、もちろん、この試合は「息子が2点を取って勝った試合」とは思っていません。

先制点は、チームがコーナーキックを取ったから生まれました。

それまで守ってくれた選手がいます。

同点にされたあとも、声をかけ合って戦った仲間がいます。

PKを止めてくれたキーパーがいます。

最後のチャンスまで、みんなが走り続けました。

誰か一人でも途中で諦めていたら、最後の決勝ゴールは生まれていなかったかもしれません。

ゴールの前には、たくさんの目立たないプレーがあります。

息子の2ゴールも、チーム全員のプレーの先に生まれたものです。

だから、試合終了後にキーパーへ走っていった姿が、親として嬉しかったのだと思います。

自分一人の力で勝ったのではないことを、息子なりに分かっていたからです。

あの日の勝利は、このチームだからこそ生まれた

うちの子たちが所属していたのは、強豪チームではありません。

勝つことだけを最優先にするチームでもありません。

子どもたちは、試合に出る機会をもらいながら成長してきました。

失敗することもありました。

思うようにプレーできない試合もありました。

それでも、また次の試合があります。

試合の中で考え、仲間と話し、少しずつできることを増やしてきました。

息子たちは、上の学年のリーグ戦にも出させてもらいました。

年上の速い相手、体の強い相手、キック力のある相手と真剣勝負をする中で、判断の速さや、先に準備することを学びました。

上級生の声かけや指示出しも、同じピッチの中で見てきました。

そうした何年もの経験が、この一試合につながったのだと思います。

急に息子がゴールを決められる選手になったわけではありません。

チームが急に1部リーグ2位の相手と戦えるようになったわけでもありません。

それまで積み重ねてきたことが、最後に結果として表れました。

3部リーグのこのチームだったからこそ、息子たちが経験できたことがありました。

試合に出ること。
失敗すること。
上の学年へ挑戦すること。
仲間と一緒に考えること。

そうした経験の積み重ねが、県大会出場につながったのだと感じています。

まとめ|決勝ゴールと同じくらい、試合後の姿が心に残っている

相手は1部リーグ2位。

うちは、地域リーグで一番下の3部リーグでした。

息子の2ゴール、キーパーのPKストップ、そして最後まで走り続けた仲間たち。

あの試合は、チーム全員で県大会への切符をつかんだ試合でした。

今でも動画を見ると、2つのゴールは何度見ても嬉しくなります。

でも、ゴールと同じくらい心に残っているのは、試合終了のホイッスルが鳴った瞬間に、息子がPKを止めてくれたキーパーのところへ走っていった姿です。

息子一人の力で勝ったのではない。

仲間が守り、走り、つないでくれたからこそ、最後のチャンスが生まれました。

あの姿を見て、

「このチームでサッカーを続けてきて、本当に良かった」

と心から思いました。

県大会への出場以上に、仲間を思って自然に行動できる姿を見られたことが、親として何より嬉しかったです。